類似業種比準価額による評価額
類似業種比準価額の計算について
類似業種比準価額は、事業内容が類似する複数の上場会社からなる類似業種の平均株価に比準して計算した金額であり、具体的には下記の通り計算します。
▼類似業種比準価額の計算式
平成29年1月1日以後に相続・遺贈により取得した取引相場のない株式については、算式中の(C)/Cの比重が従前に比べて3分の1となり、この要素が類似業種比準価額へ与える影響が少なくなりました。
符号の説明
A・・・ 以下の①~⑤のうち、最も低いもの
① 相続発生日の属する月の類似業種の平均株価
② 相続発生日の属する月の前月の類似業種の平均株価
③ 相続発生日の属する月の前々月の類似業種の平均株価
④ 相続発生日の属する年の前年1年間の類似業種の平均株価
⑤ 相続発生日の属する月以前2年間の類似業種の平均株価
B・・・ 相続発生日の属する年分の類似業種の1株当たりの配当金額
C・・・ 相続発生日の属する年分の類似業種の1株当たりの年利益金額
D・・・ 相続発生日の属する年分の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額に基づく金額)
(B)・・・評価対象会社の1株当たりの配当金額(直前期末以前2年間の平均額)
(C)・・・評価対象会社の直前期末1年間(又は2年間の平均)の1株当たりの利益金額
(D)・・・評価対象会社の直前期末における1株当たりの純資産価額(帳簿価額により計算した金額)
(注)上記A~Dについては、具体的には、国税庁から公表されている「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」(※)記載のデータを用います。
※国税庁公式サイト_法令解釈通達_令和3年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/r03/2106/index.htm
(B)~(D)の詳細については、下記の通りです。
なお、類似業種比準価額を計算する場合において、評価対象会社の1株当たりの資本金等の額(相続発生日の直前期末における資本金等の額)を直前期末の発行済株式総数(直前期末における自己株式数を除く。)で除して得た金額が50円以外の金額であるときは、上記の算式により計算した価額に次の割合を乗じて修正することとなります。
▼類似業種比準価額の修正計算式
(B)1株当たりの配当金額
評価対象会社の1株当たりの配当金額については、下記算式の通り、直前期末以前2年間のその会社の剰余金の配当金額(特別配当、記念配当等の名称による配当で将来毎期継続することが予想できない金額を除く。)の合計額の2分の1に相当する金額を、直前期末における50円換算発行済株式総数(直前期末の資本金等の額を50円で除して得た数をいいます。)で除して計算した金額とします。
▼評価対象会社の1株当たりの配当金額計算式
(C)1株当たりの年利益金額
評価会社の1株当たりの年利益金額については、次の金額の合計額を、直前期末における50円換算発行済株式総数で除して計算した金額(その金額が0円以下であるときは、0円)とします。
- 法人税の課税所得金額(固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除く。)
- その所得の計算上益金に算入されなかった剰余金の配当等の金額(法人税額から控除された配当等に係る源泉所得税額に相当する金額を除く。)
- 損金に算入された繰越欠損金の控除額
なお、1株当たりの年利益金額については、直前期末以前1年間をベースに算定した金額と直前期末以前2年間の平均額として算定した金額のうち、納税者の選択した金額によります。
(D) 1株当たりの純資産価額(帳簿価額により計算した金額)
評価会社の1株当たりの純資産価額(帳簿価額により計算した金額)については、 次の金額の合計額を、直前期末における50円換算発行済株式総数で除して計算した金額とします。
- 直前期末における資本金等の額(法人税申告書別表五(一)(利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書(以下、別表五(一)といいます。))の「差引翌期首現在資本金等の額」の「差引合計額」欄に記載されている金額)
- 直前期末における利益積立金額(別表五(一)の「差引翌期首現在利益積立金額」の「差引合計額」欄に記載されている金額)
▼関連記事
取引相場のない株式の評価①|非上場株式の評価
取引相場のない株式の評価②|非上場株式の評価
取引相場のない株式の評価③|非上場株式の評価
取引相場のない株式の評価⑤|非上場株式の評価
取引相場のない株式の評価⑥|非上場株式の評価
※この記事は2017年12月に公開し、2022年3月に加筆修正して再公開しています。
最新の情報など詳しくは当事務所にお問合せください。