暦年贈与
1年間にもらった財産の合計額が、基礎控除額(110万円)以下なら贈与税はかかりません。
これを利用して子どもや孫に贈与する人も多くいます。
例えば、毎年100万円ずつ20年にわたって贈与する場合、贈与税が課税されることなく、合計2,000万円の贈与ができます。
一方、このような定期的に行われる贈与や毎回定額の贈与には注意が必要です。
こうした贈与は、最初から2,000万円の贈与をする意図があったものとみなされ、最初の年に2,000万円を一括で贈与したと税務署は考えます。
これを連年贈与といいます。
連年贈与に該当すると、このケースでは贈与税が585.5万円(※)かかってしまいます。
連年贈与とみなされないようにするためには、毎回、贈与契約書を交わしておく等の対策を行う必要があります。
※ 直系尊属(祖父母や父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳(令和4年4月1日以後の贈与については「18歳」となります。)以上の直系卑属(子や孫など)への贈与の場合の贈与税。それ以外の贈与の場合、贈与税は695万円。
また、贈与税の制度については、令和4年度税制改正大綱にもあるとおり、将来的に見直しが行われる可能性がありますので、その動向を注視していく必要があります。
(以下、自民党公式サイト『令和4年度税制改正大綱』PDFより一部抜粋)
「今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では、家族内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度となっていることから、そのあり方について、格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。」
※この記事は2018年12月に公開し、2022年7月に加筆修正して再公開しています。
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