定期金給付契約に関する権利の評価方法は、当該契約に関する権利を取得した時において既に定期金給付事由が発生しているか否かに応じて、次のように区分されます。
定期金給付事由が発生している場合
その定期金が有期定期金であるとき
有期定期金に関する権利は一定期間を定めて定期金を受け取る権利のことで、これについては次の①~③のうちいずれか多い金額により評価します。
①権利取得時点における解約返戻金相当額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、権利取得時点の一時金相当額
③次の算式により計算した金額
その定期金が無期定期金であるとき
無期定期金に関する権利は無期限に(永久に)定期金を受け取る権利のことで、これについては次の①~③のうちいずれか多い金額により評価します。
①権利取得時点における解約返戻金相当額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、権利取得時点の一時金相当額
③次の算式により計算した金額
年金給付額の1年当たり平均額 ÷ 予定利率
その定期金が終身定期金であるとき
終身定期金に関する権利は生存中(亡くなるまでの間)に限って定期金を受け取る権利のことで、これについては次の①~③のうちいずれか多い金額により評価します。
①権利取得時点における解約返戻金相当額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、権利取得時点の一時金相当額
③次の算式により計算した金額
※余命年数は、年金受給権を取得した年の1月1日現在の完全生命表として厚生労働省から公表されている資料に基づき判定し、複利年金現価率については国税庁の公表する「複利表」に掲げられている値を用います。
その定期金が期間付終身定期金であるとき
期間付終身定期金に関する権利は、一定期間を定めその期間内の生存中(亡くなるまでの間)に限って定期金を受け取る権利のことで、例えば年金支払期間が10年と定められているものの、年金受取人がその途中で亡くなった場合には年金支給が打ち切られる、というようなものがこれに該当します。
この権利については、有期定期金に関する権利としての価額と終身定期金に関する権利としての価額のうちいずれか少ない金額により評価します。
その定期金が保証期間付終身定期金であるとき
保証期間付終身定期金に関する権利は、一定の保証期間を定め生存中(亡くなるまでの間)に限って定期金を受け取る権利で、もしも定期金受取人が保証期間内に亡くなってしまった場合は、保証期間内の残存部分の定期金が遺族等に支払われるもののことです。
例えば、年金支払期間が10年と定められていたところ、5年分の年金を受給した時点でもともとの年金受取人が亡くなってしまった場合に、残り5年分の年金が遺族に支払われる、というようなものがこれに該当します。
この権利については、有期定期金に関する権利としての価額と終身定期金に関する権利としての価額のうち、いずれか多い金額により評価します。
定期金給付事由が発生していない場合(生命保険契約を除く。)
その契約に解約返戻金を支払う旨の定めがあるとき
このときは、権利取得時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金相当額によりその権利を評価します。
その契約に解約返戻金を支払う旨の定めがないとき
このときは、次の区分に応じ、それぞれの算式で計算した価額によりその権利を評価します。
▼その契約に係る掛金または保険料が一時払いされたとき
払込済掛金・保険料の額
× 経過期間(※)に応ずる予定利率による複利終価率 × 90%
※経過期間とは、掛金または保険料の払込開始時から権利取得時までの期間をいいます。
▼その契約に係る掛金または保険料が一時払い以外の方法で払い込まれたとき
払込済掛金・保険料の1年当たり平均額
× 経過期間に応ずる予定利率による複利年金終価率 × 90%
※この記事は2017年11月に公開し、2022年3月に加筆修正して再公開しています。
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